阿蘇温泉病院
部門紹介

内視鏡センター

検査リカバリー待合エコー阿蘇温泉病院内視鏡室は2018年5月に移転、拡張して内視鏡センターとしてリニューアルオープンいたしました。

当内視鏡センターでは熟練した医師、内視鏡技師、スタッフで主に上部消化管(食道・胃・十二指腸)、下部消化管(大腸)の内視鏡検査および治療、膵管・胆管の造影検査および治療、胃瘻造設などを行っています。また皆様に、より安心でき快適な検査環境をご提供するため、広い待合室、前処置室、回復室を完備しております。

当センターでは患者さまの安全を第一と考えて、血圧、呼吸状態をモニターしながら検査・治療を行っています。

主な検査内容

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

口または鼻から、スコープ(電子カメラ)を挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を観察する検査です。従来、健診などで行われてきた胃透視検査(バリウム検査)と比べ、直接観察が出来るため小さい病変(早期がん)の発見に適しており、被爆もありません。
また、組織検査を加えることによりピロリ菌検査を行うことも可能です。
細い内視鏡を使いますので、苦痛が少なく検査が受けられます。
※ご希望があれば鼻からの内視鏡にも対応しております。
検査時間は平均5~10分程度で、ご希望の方には鎮静剤の麻酔をかけ、眠ったような状態で検査を受けて頂きます。

下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)

下部内視鏡検査とは、肛門からスコープ(電子カメラ)を挿入して大腸の内側の状態を観察するものです。挿入される内視鏡は10~12mm程度の細く非常に柔らかなファイバー素材でできています。
モニターに映し出される画像で、ポリープや癌、出血、炎症などの有無を視覚的にも鮮明に確認することができます。腸内に病変が見つかった場合には、そのまま組織を採取し、後日顕微鏡にて精査します。また、ヒダやシワの多い腸内をくまなく観察する為には、空気で腸内を膨らませる必要があります。
ご希望により大腸カメラによる検査は鎮痛・鎮静剤を用い、眠ったような状態で検査を受けることも可能です。

内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)

基本的に入院して施行する検査です。口から十二指腸まで側視内視鏡を挿入し、胆管・膵管の出口である十二指腸乳頭から胆管・膵管の中にカテーテル(細い管)を挿入して造影剤を注入することにより、膵管や胆管のX線写真を撮ることで腫瘍や結石、狭窄などを評価することが出来ます。
同時に胆汁や膵液といった消化液を採取したり、病変部から組織や細胞を取って検査することで、癌などの診断も可能です。
検査中は鎮静剤を用いて眠ったような状態で検査を受けて頂きます。
検査当日は、食事はできませんが翌日異常がなければお食事を再開します。検査当日から翌日までは感染や急性膵炎の予防の為、抗生物質・膵炎治療剤の入った点滴を行うこともあります。

経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)

胃ろうとは、上腹部に小さな穴を開けて胃の中にチューブを通して栄養剤を注入する「おなかに小さな口」を造る手術のことです。鼻からのチューブなどに比べ、患者さんの苦痛が少なく、喉などにチューブがないため、お口から食べるリハビリや言語訓練が行いやすいというメリットがあります。
内視鏡で胃の中を見ながら造設部に麻酔をして針を刺し、お腹から胃に通じる小さな穴を開けます。その穴に胃ろうカテーテルを通してお腹と胃がくっつくことでできる「孔(あな)」を造設します。
胃ろうの手術に要する時間は約15~30分程度で、局所(部分的な)麻酔で施行します。

嚥下内視鏡(VE)

2024年10月から当院で施行できるようになった検査です。
内視鏡を経皮からのど(咽頭)に入れ、食物の飲み込み(嚥下)の様子を観察する検査で、唾液や喀痰の貯留の有無、食物を飲み込んだ後の咽頭内への食物の残留の有無や気管への流入(誤嚥)等を評価することができます。また、嚥下に影響を与えることのある声帯の動きも評価することができます。
この検査の結果をふまえて、今後の食事形態や食事時の姿勢の調整、嚥下訓練の適応・方針を決定します。

  • 嚥下内視鏡検査が適応となる方
    ・胃ろう造設を考えている方、もしくは胃ろうを造設する予定の方
    ・胃ろう造設後、お口からご飯を食べたい方
    ・食事時にむせ込みを認め、飲み込みがうまくいかないことを自覚している方
    (※車椅子やストレッチャーで来院される方の検査も可能です)
  • 嚥下内視鏡検査(VE)の実際の流れ
    1.鼻の充血や腫れをとって通りを良くするための薬を鼻から注入する
    2.合成樹脂製の柔らかいスティックを挿入して鼻腔を拡げる
    3.座った状態で鼻から細い内視鏡を挿入しながら、喉の動きや着色水/食物の飲み込みの状態を評価する(およそ2~5分程度)

検査結果をもとにして適切なリハビリの介入や食事形態の選択を行い、安全に食事を食べられるサポートを行います(外来での嚥下リハビリも可能です)。
検査を希望される方は消化器科外来でご相談下さい。